「なぜ見たんだい?」
「松林宗恵監督だと知ったので」
「子供の頃に見たんだろう?」
「見たはずだが覚えていない。それにどのエピソードがそうかも分からない」
「ひ~」
「というわけで、特に49話【宇宙戦士 その名はMAT】が凄く面白いぞ」
「どこがいいわけ?」
「敵と味方の軸が曖昧なんだよ」
「どうして?」
「そもそも、ミステラー星人は敵と味方がいて、同じ姿をした怪獣同士で戦う。しかも、1体はウルトラマンの味方だ。一方で洗脳されたMAT隊員は郷秀樹を襲うのだ。MATの装備がウルトラマンを襲う」
「分かった。ウルトラマンは孤独で、味方はミステラー星人だけなんだね?」
「女と子供もいるけどな。足を引っ張るために」
「ひ~」
「50話【地獄からの誘い】の方は、地球防衛組織が当たり前ではなく、銃を持っていても人を殺したら大問題という話だった。疑いを晴らすのが郷秀樹最大の活躍だね」
「そこは良かったわけだね」
「あまりにシンプル過ぎるトリックだけどね」